第4章 片羽之憶④:白夜孤影

紅蓮華冕片羽之憶④:白夜孤影

白夜孤影①

【帝釈天】

「この意識の欠片は、懐かしい光を持っている。この前見たものと何か関係があるかもしれない。

這個意識碎片有着熟悉的光芒,似乎與我先前看到的有什麽聯系。

この記憶の中で、少年陰陽師があの子を屋敷の中に隠したのを見た。種族は異なるけれど、彼らは會話を通じて、互いの種族への理解を深めた。

在這份記憶中,我看到少年陰陽師把那孩子藏在了宅裏。

明明是不同的種族,但他們平時養傷聊天,對互相的種族有所了解。

その子は少年陰陽師に、大妖怪のことを話した。人間も同じように弱い者をいじめると言い、でもあなたのような優しい人もいる、と付け足した。大妖怪はよく彼をからかうけれど、実はとても優しい。だから人間と妖怪は、たいして違わない。悪事も働くし、善いことをしたりもする。

那孩子對少年陰陽師說起大妖怪的話,說人類其實也欺負弱小,不過也有你這樣的好人。

大妖怪雖然喜歡捉弄他,但是也挺好的。

可見人和妖鬼,并沒有多少區別,會做惡事,也會做善事。

それを聞いた少年陰陽師は、人間と妖怪は共存できないと言った。それを聞いた子供はこう言った。式神になれば、妖怪は人間と共存できると聞いたことがある、だから式神にしてください、と。少年陰陽師は、君みたいな弱い式神はいらない、傷が治ったら家に帰すと言った。

少年陰陽師聽了後說,可是人和妖怪不能共存。

孩子反而說,聽說做了式神人和妖怪就可以在一起,不如你收我做式神吧。

少年陰陽師說我才不要你這麽弱的式神,還是等你好了送你回家吧。

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子供は頭の中でこう考えていた。今はまだ弱いけれど、いつか大妖怪になる可能性だってあると。子供の傷が治ったあと、二人は強くなってまた會おうと約束した。

但孩子卻心想,他今日雖弱小,難保有一天不會成為一方大妖。

等那孩子傷好之後,兩人約好變強之後再次見面。

少年陰陽師は、密かに子供を送り返した。その子供は、人と鬼が共に暮らす地に住んでいる。人間の縄張りでひどい目に遭った後、帰ってきた彼は急に悟った。彼は修行に力を入れ、必ず強くなると誓った。

少年陰陽師悄悄把孩子送走了。

那孩子就住在了人鬼交接的地方,他在人類的地方吃了苦,回去後就開竅了。

他開始潛心修煉,發誓一定要變強。

この欠片の中の記憶は、ここまでのようだ。物語の続きは、まだ他の欠片の中に隠れているかもしれない。」

這個碎片中,只有這些記憶了。

也許故事的後續,還記錄在其他碎片中。

白夜孤影②

【天剣刃心鬼切】

「長い道のりを経て、ようやく善見城につきました。なぜ楽しそうにしているのですか?」

走了半天終于進了善見城。你怎麽一副閑适的表情?

【源頼光】

「せっかくここまで來たんだ、異國の景色を楽しむべきだろう。」

難得來一趟,何不趁此機會多欣賞幾番異域風情。

【天剣刃心鬼切】

「そうは言っても、どうしてわざわざ侍の服を脫いで、旅人の服に着替えなければならないのですか?」

話雖如此,為什麽我們要換下武士着裝,打扮成旅者的模樣?

【源頼光】

「いつもこうして正體を隠していたんだ。」

不過是從前常用的障眼之術。

【天剣刃心鬼切】

「ずっと町中を見て回っていますが、誰を探しているのか自分でもわからないなんて言わないですよね?」

帶着我在這城裏兜兜轉轉,該不會連你自己都不知道要找的人是誰吧?

【源頼光】

「お前にとって、これはある再遊だ。」

這對你而言,也是某種意義的故地重游。

【天剣刃心鬼切】

「……俺も初めてここに來ました。なのにどうして再遊などと?あなたこそ、善見城に入ってから態度がいつもと違いますね。何のあてもなくただ市場を見て回っていますが、もしかして途中で気が変わって、お土産を買って源氏の所に戻ることにしたのですか?」

……我也是初次到訪此地,何來故地一說?

倒是你,從進入善見城後便一反常态。我們現在在集市中漫無目的地亂逛,該不會是你半路改了主意,買些紀念品便要返回源氏?

【源頼光】

「一理あるな。」

你說的不無道理。

【天剣刃心鬼切】

「……真面目に答えてください!」

……我在說正經的事情!

陽が少しずつ高くなるにつれて、善見城の市場も次第に賑やかになっていく。

太陽逐漸升到半空,善見城的集市也變得愈發熱鬧起來。

【天剣刃心鬼切】

「頼光様、どうしていつまでもその寶石を睨んでいるのですか?これは何の変哲もないただの寶石ですよ。」

源賴光,為何你對這塊寶石注視許久?

這不過是一塊普通的寶石。

【天人商人】

「適當なことを言うな!これは善見城の外で拾った寶物だ。」

不許胡說!這可是我從善見城外得來的寶物。

【天剣刃心鬼切】

「(いや……この寶石は……まさか、この懐かしい気配は、あの深淵と何か関係があるのか?)この寶石を買いましょう。」

(等等……這塊寶石上……)

(難道說,這股熟悉的氣息,與之前那道深淵有所關聯?)

不如我們買下這塊寶石。

【源頼光】

「ほう?」

哦?

【天人商人】

「十……十倍!十倍の価格ですか!本當に太っ腹なお客様だ!このへんの石を全部持っていっていただいても構いません!」

十……十倍!十倍的價格!

這位先生實在是出手闊綽!這些石頭你們都可以拿去!

【源頼光】

「いや、これだけで十分だ。」

不必,只需要這一枚就足夠。

……市場の外、鬼切と源頼光が人気のない酒場で休んでいる。

——集市外,鬼切與源賴光于一僻靜酒館中休憩。

【天剣刃心鬼切】

「これを買ったのは、その気配のせいでしょう。おそらく、この石は深淵の中にあったものです。」

你買下這東西,是因為上面附着的氣息吧。

這石頭應該是來自深淵內部。

【源頼光】

「この気配は精神力によるものだ。何か手がかりが得られるかもしれない。」

這氣息是因精神力凝聚而成的,可以借此調查一番。

【天剣刃心鬼切】

「さっき觸れた時、確かに共鳴を感じました。」

我剛剛觸摸它的時候,的确感受到了某種共鳴。

【源頼光】

「穏やかなのは表面だけか、どうやらもっと面白いことが起きそうだな。」

風平浪靜下暗潮洶湧,看來會有更精彩的戲碼上演了。

白夜孤影③

【鬼王酒呑童子】

「阿修羅、もし戦争が終わったら、お前はどうするつもりだ?」

阿修羅,倘若有一天戰争結束,你打算如何?

【阿修羅】

「どうして急にそんなこと聞くんだ。」

怎麽突然問起這些。

【鬼王酒呑童子】

「なに、ただの無駄話だとでも思ってくれ。どうだ、もう一杯飲むか?」

無事,權當是本大爺和酒友之間的閑聊。

來,再幹一杯?

【阿修羅】

「もちろん友と共に天人一族を繁栄へと導く。天人の身分を決めるのは出身ではなくなる。この鬼域にある城は、鬼域の中心になる。」

自然是和我的友人帶領天人一族走向繁榮。天人不再會因出身血統而有貴賤。

這座落于鬼域之中的都城,将會成為鬼域的中心。

【鬼王酒呑童子】

「鬼域の中心?よく言えたものだ。だが、お前の実力をもってすれば、不可能な話ではないだろう。阿修羅、天人一族を繁栄へと導くと言ったな。聞こう、お前は「王」になりたいのか?仮にお前が「王」になったとして、かつて起きた過ちを繰り返さないという保証はどこにあるんだ?」

鬼域的中心?口氣倒是不小。

不過,以你的實力,倒說不準真的會有那麽一天。

阿修羅,你說你會帶領天人一族走向繁榮,那麽,你想成為「王」嗎?

若有朝一日你成為了「王」,又如何保證自己不會重蹈前人覆轍?

【阿修羅】

「一族の強さは、強者が弱者を守ることに、持つ者が持たざる者に富を分け與えることに、大人が幼き者を守護することにある。「王」の意味と強さは、皆を導く魅力や包容力にある。戦いや略奪に曬されても、平和を求めることを忘れない。殺戮を強いられても、慈悲深い心を失わない。絶體絶命に追い込まれても、胸に希望を抱く根性を持つ。世の中の強弱、美醜、老若、身分の異なる者を全て包容し、皆が笑える世界を作る!」

一族的強大,是強者保護弱者,富饒者協助貧窮者,年長者庇護年幼者。

「王」的意義和強大之處,則是在于引領衆人的魅力和包容之心。

即使殺伐搶掠,也能夠有握手言和的心胸,即使殺伐果決,也能有關懷備至的心腸。

即使深陷窮途,也能有心懷希望的堅韌。

包容世間強弱,美醜,老幼,富貴貧賤,皆能使之共存!

【鬼王酒呑童子】

「よく考えているな。ただの雑談のつもりだったが、重い話になっちまった。」

你的确看得透徹,本是想與你閑話幾句,沒想到走向了沉重的方向。

【阿修羅】

「常に戦亂や争いの中で生きていると、こういったことも言いにくいことではなくなる。酒呑童子、この神酒は確かにうまい。もし機會があれば、作り方を教えてもらいたい。」

終日生活在戰亂與紛争之中,這些早已不再是什麽難以提及的東西了。

酒吞童子,你的神酒确實不錯。

若是有緣,改日向你讨教一下配方。

【鬼王酒呑童子】

「俺様の神酒は誰でも作れるもんじゃねえ。だが、お前達の理想が実現したら、いつでも人界と鬼界の狹間にある大江山に來い。」

本大爺的神酒可不是一般人能夠釀制出來的。

不過等你們真正實現了自己的理想,可來人鬼交界的大江山做客。

【阿修羅】

「鬼王に直接誘われたら、斷るわけにはいかないな。約束だ、いつかまた飲もう。」

既是鬼王的盛情邀請,那麽你我一言為定,他日定不醉不歸。

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