第55章 ④鈴火

終焉之章 ④鈴火

玉藻前は平安京を出発した。途中で遅れてやってきた縁結神と偶然出くわし、共に陣點に向かった。

玉藻前自平安京出發,于中途偶遇遲來一步的緣結神,而後一同結伴前往陣點。

平安京の北側の密林の中……

平安京北面的密林之中—

【縁結神】

「われらが向かっておるのは大江山の東北側じゃから、平安京から出発するならこう行って……(不安げに地図を見ながら)東南西……北はこっちじゃろう?あああ、こんなところで方向を把握するなど困難にもほどがあろう。ヤマタノロチがまき散らした妖気が至るところにあって、太陽の方角すらも分からぬ。平安京から大江山までの、何度も通ってやっと覚えた道も、見つからぬときた!」

我們要去的地方在大江山的東北向,從平安京出發應該是這樣走……(不太确定地拿着地圖比劃)東南西……北應該是這邊吧?啊啊啊,本來在這種地方辨認方向就是很困難的事。現在到處都是八岐大蛇散播的妖氣,連太陽的方位都看不到了。平安京到大江山,這條本神明走了很多遍才勉強記住的路也完全找不到了啊!

縁結神は朧車に乗り、困り顔で空を見上げていた。雨雲が森の空を覆い、雲霧の中には妖気が溢れている。靜かな密林の中も、陰に覆われている。時折、何かが通り過ぎてゴソゴソと音を立て、薄気味悪さが増していた。

緣結神坐在胧車上神情苦惱地擡起頭看着天空。繁茂枝葉外的天空之上,陰雲遮天避地,雲霧之中翻湧的滿是濃膩妖氣。原本靜谧的密林之中也因此籠罩在陰影之中,偶爾不知有什麽經過,攪動得枝葉發出窸窣聲響,靜谧之中更平添幾分陰森。

【縁結神】

「もしここで迷子になったら、唯一の落伍者になってしまうのう、それは恥ずかしすぎる。」

要是在這裏迷路的話,我們可能會變成唯一掉隊的诶,那多尴尬。

【燼天玉藻前】

「(眉を寄せて考え込む)……」

(皺眉沉思)……

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【縁結神】

「……大狐、しっかりするのじゃ!なぜ途中から合流したわれが道を探しておるのじゃ!?元々われは平安京への道が見つからず、遅刻したのじゃ。だから道を知らぬわれと、ぼんやりしたお主が道を探していては、真逆の場所に行ってしまうぞ!」

……大狐貍,你倒是回回神啊!為什麽現在變成中途入隊的我在找路啊!?我本來就是因為找不到去平安京的路了才會遲到的。所以如果我們一定要靠不認路的我和一個發呆的你來找路,最後會走到完全相反的地方的啊!

【燼天玉藻前】

「……すまない、さっきは少しぼんやりしてしまった。確かに今は方向がわかりにくいが、この密林はそれほど広くないから、ここを出てしまえば道が分かるはずだ。方向が分からないなら、この汚された妖力をたどって、妖力の最も強い方に向かおう。」

……抱歉,剛剛有些走神。現在的方位确實有些難辨別,不過這片密林并不算大,只要離開了這裏應該就能找到路了。既然找不到方向,那就循着這污染的妖力,往氣息最濃密的方位走吧。

【縁結神】

「それはそうじゃが、道ももっと曲がりくねっておるじゃろうし、邪魔ものも多いのではないか?」

那樣應該會是對的啦,不過路可能會更曲折一點,會遇到更多阻礙的吧?

【燼天玉藻前】

「事前に片付けられると思えばいい。晴明の計畫通りにヤマタノロチを止めても、邪神の妖力に影響されたものはそう簡単には消えてくれない。」

就當是提前清理掉這些有害之物吧。即便是依照晴明的計劃阻止了八岐大蛇,受到邪神妖力影響的事物也不會輕易的就此消失。

【縁結神】

「これ以上事態を悪化させないために、すぐに行動するのじゃ!大狐も集中するのじゃ!」

為了不讓情況更嚴重,我們還是盡快行動吧!大狐貍也要集中精力啊!

【燼天玉藻前】

「分かった。さっきは晴明の計畫について考えていたから、ぼんやりしていた。」

知道了,剛剛也只是在想晴明所說的計劃,一時有點走神。

【縁結神】

「ん?何が気になるのじゃ?」

嗯?是有什麽遺漏嗎?!

【燼天玉藻前】

「いや。ヤマタノロチの計畫が千年前から始まったのだとしたら、今目の前にしているものが本當に全てなのかと思っただけだ。」

倒也不是,只是想到,八岐大蛇的計劃從千年前就已經展開,如今我們所能看到的,真的就是全部嗎?

【縁結神】

「それはまあ……われはそれほど複雑に考えてはおらぬ。分からぬなら、簡単に考えればよいのじゃ!水來たりて土を覆い、将來たりて兵迎え撃つということじゃ!」

這個嘛……本神明想的倒是比較簡單呢,既然想不到,那就想簡單點,兵來将擋水來土掩!

【燼天玉藻前】

「ああ、君らしいな。」

嗯,這确實是你的作風。

【縁結神】

「……ううむ、その言い方はどこか微妙な感じじゃな?え?!この先で何かが動いた気がするぞ!ちょっと見てくる!」

……喂喂,我怎麽覺得你這句話不像是什麽好話?诶?!我好像感覺到前面有什麽動靜了!我去看看!

【燼天玉藻前】

「(首を振り)この神様はこんな時でもちっとも変わらないな。(だが、晴明は……)」

(搖搖頭)這位神明大人這麽久了還是一點也沒變啊。(不過,晴明也許……)

【縁結神】

「大狐も早く來るのじゃ!」

大狐貍也要趕快跟上啊!

燼天玉藻前は來た方向を振り返る。その眼差しはいくつかの障壁を突き抜けて平安京で止まったようだった。その眼差しは一瞬留まり、すぐ近くにいる縁結神に向かった。そして、扇子を扇ぎながらついていく。

燼天玉藻前回頭望了眼來時的方向,若有所思的目光似乎穿透了重重障礙落在了平安京。他的目光只停留了一瞬,很快就收回了,看向了不遠處的緣結神,而後便搖着扇子跟上了她的身影。

【縁結神】

「なんて強い妖気じゃろう!この先に、ヤマタノロチに汚された妖怪がおるのじゃろうな!あれ?妖気に少し火気があるようじゃ。なぜか親しみを感じるが……」

好重的妖氣!前面應該是有被八岐大蛇污染的妖怪吧!诶?這妖氣中好像還有一絲火氣,總覺得有幾分熟悉……

【燼天玉藻前】

「ん?これは……」

咦?這不是——

眩いばかりの炎が輝く刃に包まれ、暁の光が闇を切り裂くように、妖力を纏った妖怪を切り裂いた。真正面からぶつかってきた気配がまるで生まれたての冬の太陽のような暖かさと氷雪の冷たさを併せ持ち、心が澄んでいく。

耀眼的火光裹挾着更亮的刀光,如拂曉時的日光劃破了黑暗,斬斷了被妖氣纏附的妖怪。撲面而來的氣息如同新生的冬日暖陽一般,溫暖中夾雜着冰雪的微涼,令人神氣一清。

【妖怪甲】

「ああああ……」

啊啊啊啊——

【妖怪乙】

「ぐああ、ぐっ、貴様……」

唔啊啊,呃,你……

【鈴彥姫】

「ふん、何?汚れた妖気にまみれて私を攻撃してるんだから、こうなるのも當然でしょ?」

啧,我什麽我,一身污穢妖氣還企圖攻擊我,這不是該麽?

【縁結神】

「鈴彥姫か!」

是鈴彥姬啊!

【鈴彥姫】

「あら、君達。ここで會えるなんてすごい偶然。」

喲,是你們啊,真巧啊,這兒也能遇到。

【縁結神】

「……久しぶりに皆が揃ったのは嬉しいことじゃが、お主も少しは気をつけるのじゃ!」

……雖然一段時間沒見大家在這相聚是喜事,但是你也注意一下背後啊!!!

【鈴彥姫】

「あれ?」

啊?

目の前に突然現れた狐火が、鈴彥姫の背後から突進してきた妖魔を優しく包み込む。妖魔は弱々しい狐火とともに靜かに宙に消えていった。

狐火在她們的眼前驟然一現,輕柔地裹挾着鈴彥姬身後撲來的妖魔,妖魔伴随着幽幽狐火悄然消失在空中。

【妖怪丙】

「ぐあああ……」

呃啊啊啊——

【燼天玉藻前】

「…………」

【鈴彥姫】

「おっと、もう二匹見逃していた!ごめんごめん、ありがとう。道中たくさん倒してきたから、ちょっと油斷してたかもしれない。さっき何か言いかけてなかった?」

原來還漏了兩個,哎呀,不好意思,謝謝你了。我一路過來砍了好多個,可能有點砍昏頭了哈哈。不過我剛剛看你好像想說什麽……的樣子?

【燼天玉藻前】

「……いや。ただ君達二人は心が似ている。気心の知れた友人は得難いものだと言いたかっただけだ。縁結神、この友人を大切にすることだな。」

……沒什麽,只是想說兩心相似,知己難逢,緣結神要好好珍惜你這位朋友。

【縁結神】

「……………………はあ、まあよい、大狐も手伝ってくれたことじゃ、われは何も言わぬ。それで、どうして雪國を離れたのじゃ?そのうえここに現れて。」

………………咳,算了,看在大狐貍幫了忙的份上本神明就不說什麽了。總之,你怎麽離開雪域了?還會出現在這裏。

【鈴彥姫】

「まあ、色々あってね。前回の祭りから雪國の結界が薄れ、その雪の幕も徐々に消えた。しかし、少し前から地脈から絶え間なく力が流れ込み、漂っている妖気もさらに強くなった。天現峰の下に埋められた神器も蠢き始め、常に強力な力が封印の結界を破って地上に現れ剣気になった。」

這就有點說來話長了。自從上次大祭之後,雪域周圍的結界消隐,那層雪幕也慢慢散了。但是不知道為什麽,前段時間起,就有力量源源不斷地從地脈輸送出來,彌漫的妖氣更強了。天現峰下埋着的那柄神器也開始蠢蠢欲動,常常有強大的力量撐破封印結界出現在地面之上,形成道道劍氣。

【縁結神】

「!?それは危ないじゃろう!」

?!那豈不是很不安全!

【燼天玉藻前】

「こうしてみると、おそらくヤマタノロチは千年前に高天原に裁かれ堕ちた時から準備を始めていたようだな。」

這麽看來,千年前,恐怕八岐大蛇被高天原審判墜落的那時,就已經開始布局了。

【鈴彥姫】

「そう。だから私は雪山一族を雪山の下に移した。幸い結界はすでに消え、外界とも通じ、あそこから出ることができた。でもこの件を解決できなければ、雪國の狀況は悪化する。住みやすいところではないとはいえ、この地域は雪山一族にとって特別な意味がある。私にも…………とにかく、問題を解決しないと。だから雪山一族を安全な所に落ち着かせてから、地脈の下にある妖力を追いかけてきた。」

确實如此,所以我将雪山族都遷移至了雪山之下,幸好結界已經消失,我們也已經能夠與外界相通,離開那裏了。但是如果解決不了這件事,雪域的情況應該會越來越嚴重。盡管并不宜居,但是這片地域對于雪山族來說也具有特別的意義,對我也…………總之,問題是要解決的。所以安置好他們之後,我就循着地脈下的這股妖力找來了。

【縁結神】

「なるほど……雪國の異変もヤマタノロチの儀式に影響されたものじゃろう。天羽々斬の封印だけでは、これほど巨大な力を封じ込めることはできぬ。」

原來如此……雪域的異動,想必也是被八岐大蛇的儀式所牽動了,天羽羽斬的封印都要封不住這麽龐大的力量了啊。

【鈴彥姫】

「つまり、所々がこの妖力の影響を受けていて、その源はヤマタノロチだってこと?」

聽你們的意思,各處都受到了這股妖力影響吧,而一切的源頭就是八岐大蛇?

【縁結神】

「そうじゃ!今この件を解決しておるところじゃ。」

沒錯!我們就是在前去解決這事的路上。

【燼天玉藻前】

「君もそのために來たなら、協力してはどうだ?少しでも勝算が高まる。」

既然你也是為這事而來,不如與我們同路,多一份力量,也更有把握一些。

【鈴彥姫】

「わかった。一人で戦うより、人數が多いほうが有利だ。ところで他の人は?この前あんた達と一緒に雪の谷に來た陰陽師達。あ、あと、押しかけてきた男も、鬼族か?皆はどこへ行った?」

那也不錯,人多總比單打獨鬥強。不過話說回來,其他人呢,之前跟你們一同到雪域來的那幾個陰陽師。哦對,還有一個不請自來的鬼族青年,是鬼族吧?他們都去哪了?

【縁結神】

「晴明達とわれらの目的地は違うのじゃ。我らは大江山の北東部に行く。そして鬼童丸は……鬼童丸は雪國を離れた途端、誰かを探しに行くと言って、興奮した様子で姿を消したのじゃ。その相手が不運に見舞われぬことを祈ろう……」

晴明他們跟我們不同路啦,我們要去大江山的東北位,所以走的路不同。至于鬼童丸嘛……離開雪域之後不久他就消失了,說好像要去找什麽人,看上去很激動的樣子。希望他要找的人沒有那麽快倒黴吧……

三人は妖力の源を追い続け、密林を抜け出し、大江山に向かう途中で逃げている最中の人々に會った。

三人繼續沿着妖氣的源頭前進着,他們走出了密林,在前往大江山的路上途遇了許多奔逃的凡人。

【村民甲】

「た……助けて!助けて!」

救……救命!救命!

【おばあさん(老奶奶)】

「ううう、わしの家が……」

嗚嗚嗚,我的家……

【村民乙】

「誰か助けに來てくれ……助けくれ、神様!聞こえますか?神様、助けて!」

有沒有人能來救救我們……救救我們,神明大人,有神明大人嗎,救救我們吧!

崩れた大地には悲慘な叫びが響き渡り、多くの人々はどうすることもできず空を見上げていた。

慘厲的哭聲在崩裂開的大地之上回蕩着,無數絕望的人無助地擡起頭看向天空。

【村民】

「神……神よ、私達をお助けください!私達は何か悪い事をしたのでしょうか?これは私達への罰なのでしょうか……」

神明……神明大人啊,請看看我們吧!難道我們做錯了什麽嗎?這難道是對我們的懲罰嗎……

【縁結神】

「…………」

【鈴彥姫】

「…………」

【縁結神】

「おじいさんおばあさん、起きてください。大事な物だけ持って、平安京に行こう。都には陰陽師の結界があるからまだ安全だ。」

伯伯阿婆,快起來吧,帶上點急用的東西,先往平安京去吧,那裏有陰陽師布下的結界,還算安全。

【おばあさん】

「安全……じゃがどうやって妖怪を避けてその場所へ行く?お嬢ちゃん、わしは平安京に着いたらどうすればよいのじゃ……ここがわしの家なんじゃ……」

安全……可我們又怎麽才能躲過那些怪物走到安全的地方?小囡哇,阿婆我到了平安京,又怎麽辦呢……這裏才是我的家啊……

【村民】

「うう、わしの家が……」

嗚嗚,我沒有家了……

【縁結神】

「これは……」

這……

背後から手が伸びてくる。その掌には炎の気をまとった鈴がいくつかあった。

一只手從她的身後伸出來,掌中是幾個鈴铛,上面密布着火焰的氣息。

【鈴彥姫】

「おばあさん、これを持っていて。この中には、ええと……あなた達を守る力が込められている。これを手にしていれば、普通の妖怪なら近づけない。もし本當に危険に迫られたら、あなた達を守ることもできる。平安京に着いたらどうすればいいのかは……私にもわからない。行ったことがないから。でも私の族人が引っ越したばかりの時、彼らも不安そうだった。それでも今は、危険が迫ってる。今は家が大事かもしれないけど、もっと大事なのは、それが何を象徴しているかってこと。だから、生き続けることが一番重要。それ以外のことは、後で考えよう。」

阿婆,這個你們拿着。裏面存了一些……呃,能夠保護你們的力量,拿着它,一般的怪物不會靠近你們。真的遇到危險的時候,也能夠保護你們。至于到了平安京怎麽辦嘛……我也不知道了,畢竟我也沒去過。不過我才帶着我的族人們搬了一次家,他們一開始也很擔憂。但是危險就在眼前,也許現在的家很重要,但是更重要的是家所代表的含義。所以總歸是要先活着,其他的,就留着之後再想吧。

【縁結神】

「そうじゃ!この赤い糸もつけて!あまり役には立たぬかもしれぬが、暗闇で迷子になりにくいから気が紛れるぞ!」

沒錯!這些紅線你們也戴上吧!盡管只是能讓你們不容易在黑暗走散,用處可能不算大,但是也聊勝于無嘛!

【おばあさん】

「あ……ありがとうございます。」

謝……謝謝幾位大人。

【村民】

「皆様は我々を助けてくれた大恩人です!」

幾位大人願意幫助我們,已經是大善人了。

【女の子】

「お婆ちゃん……狐ちゃん、一緒に連れていっていい?」

阿婆……我可以帶上小貍一起走嗎?

【おばあさん】

「まったく!まだあの狐のことを考えておるのか!持てないほど荷物があるのに、連れて行くのかい?」

你這孩子,怎麽還惦記着那只狐貍!那麽多東西,我們都不一定帶的下,還要加上它嗎?

【女の子】

「でも……でも……狐ちゃんは私の唯一の友達なの……何度も助けてくれた!」

可是……可是……它是我唯一的朋友啊……它還幫過我那麽多次呢!

【村民】

「そうか、その狐か……いつも森を彷徨い、はぐれた鶏などをたくさん捕まえているのを見たことある!」

原來是這只狐貍啊,我在森林裏經常看到它在徘徊,還帶回來不少走失的雞鴨呢!

【縁結神】

「ん?この狐の気は……普通の狐ではなく、霊感を持った妖怪のようじゃ!」

诶?這只狐貍的氣息……它好像不是普通的狐貍哦,看起來像是已經擁有了靈識的小妖怪呢!

【村民】

「なに!?妖怪だと?!」

什麽?!這是妖怪!

【女の子】

「狐ちゃんは狐ちゃんよ、妖怪じゃない!お婆ちゃん、お願い!」

什麽妖怪,小貍就是小貍!阿婆,求求你了!

【おばあさん】

「仕方ないのう……自分で世話をするのじゃよ?婆ちゃんも年を取ったし……あんたのそばにいられる時間は殘り少ない。この狐はまだまだ長い間、あんたのそばにいてくれるじゃろう。」

好吧,那……你要自己負責照顧好它。反正阿婆啊……年紀也大了,也陪不了你多久了,它還能陪伴你很久很久。

【燼天玉藻前】

「ほう?その狐が妖怪だとしても、怖くはないか?」

哦?即便那狐貍是妖怪,你也不怕麽?

【おばあさん】

「婆ちゃんは目がよく見えんが、この子は目がよく見える。この子が怖くないのなら、それでいいんじゃ。」

阿婆我是老眼昏花了,但是孩子卻是目光澄澈的,她自己都不害怕,我又害怕什麽呢?

【燼天玉藻前】

「…………(軽く笑いながら)まったく……同じ人間でも、心はそれぞれ違うな……私もただ傍観しているわけにはいかない。」

…………(輕笑)真是……即便都是人類,也擁有不同的心啊……你們都這麽慷慨,我也不好只是旁觀了。

玉藻前は扇子をあおぎ、どこからともなく蛙式神を何體か召喚した。

玉藻前扇子輕搖,不知道從哪召出了幾只呱太。

【玉藻前蛙】

「ゲロ!玉藻前様、今日はどんなご命令でしょうか!」

呱!玉藻前大人有什麽要吩咐的嗎呱!

【燼天玉藻前】

「平安京への道はお前達も覚えているだろう。朧車でこの人達を連れて行ってやれ。」

去平安京的路你們應該都記得,就用胧車将這些人都帶到平安京去吧。

【玉藻前蛙】

「かしこまりましたゲロ!拙者は以前、玉藻前様に何度もお屆け物をしたので、道は完璧に覚えていますゲロ!拙者に任せてくださいゲロ!」

明白呱!本呱之前幫玉藻前大人送過不少次東西,路早就爛熟于心了呱!都包在呱的身上!呱在人在!

【村民】

「こ……これは……」

這……這是……

【縁結神】

「怖がる必要はない!彼らは皆……玉藻前様の式神達じゃ。安心して彼らと行くのじゃ。そうすれば平安京に辿り着ける!」

不必害怕!這些……這些都是這位玉藻前大人的小式神。你們只用安心跟着它們,就能到達平安京!

【村民】

「……お心遣いに感謝いたします!あなた達は……神よりも柔軟に、我らのような者にも情けをかけてくださる。わしには何もできませんが……ただあなた達の進む道に、幸あらんことを祈っております……」

……多謝各位大人善心!大人們的心……比神明還要柔軟,願意垂憐我們這些人。老婆子也不能為大人做什麽……只能祈願大人們所行順遂……

一部の人は朧車に乗り、蛙式神達と共に暗い密林の中へと入っていった。赤縄と鈴の微かな光が、彼らの進む暗い道を照らしていた。

部分人坐上胧車随着呱太們沒入了黑暗的密林之中,來自紅繩與鈴铛上的微光卻為他們照亮了無光的前路。

【縁結神】

「ふう……何はともあれ……全員救うことはできなかったが、力を盡くすことはできた。」

呼……總算……盡管不能救到所有人,但還是盡力了。

【燼天玉藻前】

「なんといっても、神よりも柔軟な心を持っているのだからな。」

畢竟是擁有比神明柔軟的心呢。

【縁結神】

「…………はは、そんな風にからかうな。われはただ、われにできることをしただけじゃ。神を自稱しておるが、今のわれにはできぬことが山ほどある。われがあの場所を去ってから、もう長い時間が経った。われのような道に背いた神に、彼らと同じような力を持つことはできぬ。」

…………哈,還是別用這句話打趣我了,我也只是在做我能做的事而已。盡管自稱神明,但是現在的我也确實有很多事都做不到了。畢竟已經離開那裏很久了,我這樣離經叛道的神明,又怎麽能擁有與他們同樣的力量呢?

【鈴彥姫】

「なにかあったのか?」

你聽上去心情好像不太好。

【縁結神】

「昔のことを思い出しただけじゃ。とはいえ全て過去の事、あまり思い出すことはないのじゃが。」

只是想起了點不太愉快的往事而已,不過那都是過去的事啦,我平時也很少會想起來的。

【鈴彥姫】

「…………高天にいた時の事か?」

…………是指高天之上的事嗎?

【縁結神】

「ん?何か思い出したのか?そういえば、お主が昔高天原にいた時のことを聞いたことはなかったのう。デカ氷が……いや、誰じゃろう、なぜだか分からぬが、皆あの審判の前後に起きた出來事については全く話そうとせぬ。」

诶?你是想起了什麽嗎?說起來,曾經的你在高天原的事,我都還沒有聽過呢,大冰塊—他呃,那誰,沒怎麽說過,不知道為什麽,大家好像對那次審判前後發生的事都諱莫如深。

【鈴彥姫】

「気にしないで、あたしもそんなに気にしてない。でもあたしはまだあの時の記憶が戻ってないし、大司祭もその件については觸れてこなかったから、あまりよく分からない。ただ、あたしもちょっとよく考えてみた。どうして高天原は、天鈿女命の帰還をそんなに急いでいるのか。仮に、太陽の恵みと輝きをもたらす為だとしても、天照様さえいれば良い。そこまで焦る必要はないはず。日が落ち、また昇る。人の世も変わらない……何が問題なのだろう。もし何か異変があるとしても……太陽が人の世に存在する限り、高天原に解決できないことなどないはず。」

沒關系,我也沒有那麽介意。不過我還沒有恢複那些記憶,大祭司也從未提及過,所以我也不怎麽清楚。但是我這段時間也琢磨過,為什麽高天原對天钿女的回歸這麽急迫?即便是為了散播太陽的賜福與光輝,只要天照大人仍在,也不必這麽急迫。日升日落,人間也照舊……并沒有哪裏不妥。如果說有什麽變故……只要太陽依舊在人間,又會有什麽高天原無法解決的麽?

【縁結神】

「まさか個人的な理由で……はは、は、われには分からぬ。われはとっくにあの場所から去ったのじゃから。」

難道不是為了私……哈哈,哈,我也不知道啊,畢竟我很早就離開那裏了。

【燼天玉藻前】

「それを言うなら、一體なぜお前が高天原を去ったのか、私には理解できない。」

如此說來,我倒是還不知道,你到底是為什麽離開高天原的。

【縁結神】

「……健全な友情を維持するには、適度な距離が必要じゃぞ……ゴホン、そうじゃな、それはわれが、ちょっとした過ちを犯し……いくつかの矛盾を、少し過激な方法で処理しもうて……皆、われのやり方や考え方にあまり賛成できなかったのじゃ。そうしてわれは、あそこを飛び出したのじゃ。具體的な內容じゃが……古い話を今更蒸し返す必要もあるまい。ともかく、縁結神としては、下界に降りてきてこそ、われに付き従う多くの信徒をより一層守り、より多くの人に幸せをもたらすことができるのじゃ!高天原では……価値観の相違があったにすぎぬ。彼らにとっては、雲の上に座していることが、正しい神の在り方なのかもしれぬ。地上の全ては、まるで蟻のように矮小な存在であると。蟻の聲に、返事をする必要などないと。」

……健康的友情往往都保持着美好的距離……咳,好吧,因為我犯了一點點錯誤……比較激進地處理了一些矛盾……大家稍微有點不太認同我的做法和觀點,所以,我就下來了。至于具體的內容……那麽久之前的陳年舊賬了,翻起來也沒什麽意思啦。再說了,作為緣結神,下凡來才能更好的保佑我廣大的信徒群體,造福衆生啦!至于高天原……不過是道不同不相為謀吧,也許對于他們來說,在雲端上高坐着,才算是合格的神明。大地上的一切,可能都如同蝼蟻般微小。蝼蟻的呼喚,真的都需要回應嗎?

【燼天玉藻前】

「ふん、傲慢だな。」

呵,真是傲慢啊。

【鈴彥姫】

「………………(自分の傘を強く握りしめ)そう、傲慢なの。」

………………(握緊了自己的傘)是啊,真是傲慢啊。

【縁結神】

「現在の人の世を、彼らが見ているかどうかも怪しいところじゃ。縁を結ぶ対象は、人間界の生物に限らぬ。神と人間の間にも、深い縁があるのじゃ。もし本當に関わることをやめ、神と人間の縁が切れてしまったら、どうするつもりじゃろうな?はあ、ここまでにしておこうかの。考えすぎて頭痛がしてきたぞ!まずは目の前の面倒事を片付けなければならぬ。儀式の場所までは、あとどれくらいじゃ?」

也不知道現在的人間,他們看到了沒有。緣分所結的對象,也不止有人間的生靈,神明與人間,也有着深厚的緣分。如果真的置之不理,等到神明與人間的緣斷,他們又會怎麽樣呢?哎,算了,不想了不想了,思考多了腦袋疼!眼前還有一大堆的麻煩事在等着我們呢,也不知道距離儀式點到底還有多遠。

【燼天玉藻前】

「妖力が段々濃くなってきた、それほど遠くはないだろう。」

妖力變得越來越濃了,應該已經距離不遠了吧。

【鈴彥姫】

「あなた達にも見える?何かこっちに近づいてきてる。」

不知道你們有沒有看到,有一些麻煩也離我們越來越近了。

近くの暗闇の中から、未知の生き物の咆哮と息遣いが聞こえてきた。それはその場所に危険が存在することを示唆していた。

不遠處的黑暗之中,不知名的嘶吼聲與嘶嘶聲傳來,預示着此處存在的危險。

【侵食された妖怪甲(受污染的妖怪甲)】

「ぐおおお!!!」

吼嗷——!!!

【侵食された妖怪乙】

「うう、ぐあああ!」

嗚嗷,哈——!

【縁結神】

「こやつらは、汚染された野獣か!」

這些都是被污染的野獸嗎!

【燼天玉藻前】

「それだけではない、あそこを見ろ。汚染された人間と妖怪がいる。」

不止,你看那邊,還有被污染的人和妖。

【鈴彥姫】

「ちっ、やつらが全部集まったら、大軍になるんじゃないか?!あっちから蛇の音が聞こえた。ヤマタノロチの儀式の場を守る怪物、邪神の蛇魔か?」

啧,這些全部組起來,都能算作一支大軍了吧?!我聽到那邊還有蛇的聲音,八岐大蛇的儀式點看守的怪物,應該就是邪神的蛇魔吧?

【縁結神】

「では共にあちらを見に行くぞ!」

那就一起往那邊去吧!

太刀影と狐火が天地を覆い、湧き出てくる汚染された大軍へと向かう。蠢く妖力の源を焼き盡くすと、続いて赤縄が彼らを纏めて縛り上げた。怪物の咆哮がひとまとめになり、段々と彼らから遠ざかっていった。

烈焰刀光與狐火鋪天蓋地,朝着奔湧而來的被污染大軍而去,灼燒砍斷了滾動的妖力來源,紅繩緊跟其後,将它們都縛作了一團。怪物嘶吼着纏成一團,漸漸都遠離了他們。

【鈴彥姫】

「これが怨念天成というものか?」

這叫什麽,怨偶天成?

【縁結神】

「…………これは簡単で便利な方法じゃな。ん?どこかから泣き聲が聞こえたような?お主らにも聞こえたか、われの幻覚ではなかったようじゃな。」

…………這辦法簡單且好用,謝謝。嗯?我怎麽好像聽見了哭聲?你們聽見了嗎,這應該不是我的幻覺吧?

【女子】

「ううう、ぐすっ、うう、うう、わ……私の……子供が……うう……わ……私の……子供……」

嗚嗚嗚,呃,嗷嗚,嗚嗚,我……我的……孩子……呃啊……我……我的……孩子……

身體の半分が黒く、妖気に汚染された人間の女が、どこかに向かって這っていた。彼女は兇暴な表情をしていたが、目には涙を浮かべ、それほど遠くはない、時々音のする場所を見つめていた。三人が彼女を追いかけて行くと、巨大な蛇魔が光りを放つ儀式場に巣食っているのを見つけた。蛇魔の傍には、身體の半分が蛇魔と化した妖怪が無數に蔓延っていた。

一個半身漆黑,被妖氣污染的人族女子正掙紮着向一個方向爬去。她的臉上滿是猙獰,目光卻清澈含淚,一直殷殷地望着時不時發出嘶嘶聲的不遠處。三人跟随着她往前走去,卻看到一只巨型蛇魔盤踞在發光的儀式點之上,在它的身側是無數已經一半轉化成蛇魔的妖怪。

【縁結神】

「あの母親は……子供を探しておるのか?」

那個母親……是在找她的孩子嗎?

【鈴彥姫】

「きっと、彼女が掴もうとしているあの子供がそう。ただ、左右の耳の形が違うみたい……」

看她想要抓住的那個孩子,應該就是了吧,不過,怎麽好像長了一對不一樣的耳朵……

【燼天玉藻前】

「……半妖か。母親は人間だが、子供は半妖なのだな。」

……是半妖啊,母親是人族,孩子卻是半妖。

母親は手を伸ばし、蛇の尾から出てきた息子を懐に抱こうとしたが、子供は母親の首に噛みついた。母親は身體を強張らせながらも、腕を伸ばし子供を抱きしめた。彼女の涙が、噛みつく彼の顔に落ちる。それでも母親は、満足そうな表情を浮かべていた。その時、一筋の金色の炎が辺りを燦然と照らし、彼らの足元から緩やかに立ち昇った。黒い蛇毒はたちまち浄化され、蛇の尾が二本の足へと戻った。元の姿に戻った母子は、燃え盛る炎の中、安らかな眠りにつき空へと消えていった。鈴彥姫は刀を手に持ち、身を翻すと、激しい怒りをあらわにしながら湧きあがる蛇毒を一刀両斷した。

那位母親伸出手,想要把已經生出蛇尾的孩子攏進懷裏,他卻一口咬在了母親的脖頸之上。人族母親僵硬地伸着手擁抱着孩子,淚水滴落在他發狠撕咬的臉上,母親的神情卻是滿足的。一縷金紅的烈焰驟然點亮,從他們的腳下緩緩攀升,黑色的蛇毒不斷地升騰消解,蛇尾也化回了雙腿,恢複了原貌的母子相擁,在火焰中安眠,而後消散在了空中。鈴彥姬手持着刀,回過身,惡狠狠地一刀劈開了湧來的蛇毒。

【鈴彥姫】

「殘念だけど、私の焔にできることはこれだけ。神の火は蛇毒を駆除することはできても、命を蘇らせることはできない。玉藻前は彼らを助けたかったみたいだけど、勝手な真似をしてしまった……」

抱歉,我的火焰只能做到這樣了,神火只能驅散,不能複生。我看玉藻前的神情,似乎是很想要幫他們的樣子,就擅作主張了……

【燼天玉藻前】

「いいんだ。私はただ……昔の事を少し、思い出していた。まずはここの蛇魔を始末してしまおう。」

沒關系,我只是想到了一些……往事。先解決這裏的蛇魔吧。

【縁結神】

「そうと決まれば、やるぞ!蛇魔を始末すれば、儀式場を制圧することも出來るはずじゃ!」

那我們就上吧!只要解決它,應該就能壓制儀式點了!

三人が一斉に攻撃する。炎が燃え上がり、赤縄が蛇魔の身體を締め上げ、その頭と尻尾を固定した。そして、彼らに向かって突進してきた怪物達も全て縛り上げた。

三人齊齊攻上,火焰燃起,紅繩縛在蛇魔身上,将它頭尾捆在一處,然後再将朝他們撲上來的怪物都捆起。

【縁結神】

「早く早く!われにできるのは縛ることだけじゃ、殘りはわれ一人ではどうにもならぬのじゃ!」

快快快!我只能捆起來,剩下的我解決不了啊啊啊啊啊啊!

【鈴彥姫】

「わかった!この人達……この人達はどうすれば?!」

來了來了!這些……這些人怎麽辦?!

【燼天玉藻前】

「…………彼らはもう完全に汚染されている、消滅させるしかない。」

…………他們已經被完全污染了,只能全部消滅了。

【鈴彥姫】

「…………ちっ!」

…………啧!

金色と赤色の入り混じる炎が燃え盛り、輝く刀身が振り落ろされ、猛烈な狐火と共に蛇魔の身體に向かって放たれた。それは具現化された、鈴彥姫の心の怒りだった。燃え盛る炎によって、辺り一面の空間が撚じ曲がる。それはまるで大きな形なき嘴が、罪に染められた命を呑み込んでいるようだった。そこに殘ったのは、彼らの遺志を示すかのような、一筋の青い煙だけだった。

泛着金紅色澤的火焰熊熊燃起,然後刀光揮灑,與滔天的狐火奔向蛇魔之身,将鈴彥姬心間的憤怒展露無遺。炙熱的火焰灼燒得這一片區域的空氣都有些扭曲,如同一張無形的大嘴,将這些沾染罪惡的生命都吞沒其中。只餘一縷青煙,留作他們的遺念。

【鈴彥姫】

「利己的な欲望の為に他人を傷つけるなんて、許さない!」

以一己私欲,禍及旁人,罪不可恕!

【燼天玉藻前】

「悪は、永久に地底で眠らせる。日の光を拝ませてはならない。」

邪惡之物,就應該永陷地底,不見天日。

彼らの死闘により、邪悪な気配は段々と霧散していった。蛇魔は斷末魔をあげ、空へと消えていった。彼らはこうして、ようやく儀式場を一つ奪い取り、制圧することができた。

在他們的鏖戰之下,邪惡的氣息逐漸消散,蛇魔發出一聲慘嚎,而後消散于空中,他們終于将這一處儀式點奪下并壓制住了。

【縁結神】

「はあ……疲れたのう。さっきは危なかったな。」

啊——好累啊,剛剛好險啊。

【鈴彥姫】

「ふう……これでこの儀式場の問題は解決できたけど、これからどうする?」

呼……所以,這處儀式點解決了,然後呢?

【縁結神】

「とりあえずは……一旦、晴明達を待つのじゃ。ん?大狐はどこじゃ?」

然後……然後就等一等晴明他們吧。嗯?大狐貍呢?

【鈴彥姫】

「たぶん……あのへんじゃない?」

好像……在那邊?

玉藻前はそう遠くない場所で座り込み、手に何かを持って、放心しているようだった。

玉藻前坐在不遠處,手裏好像拿着什麽東西,看得有些出神。

【縁結神】

「大狐、ここで何をしておるのじゃ?む、それはなんじゃ?腕輪か?」

大狐貍,你在那裏幹什麽呢?诶,這是什麽?是镯子嗎?

【燼天玉藻前】

「(手に持った腕輪を撫でながら)これは、さっきの母子が落としたものだ。」

(摩挲着手中的手镯)這是剛才從那對母子身上掉下來的東西。

【縁結神】

「その顔、どうやら特別な物のようじゃな?」

看你的表情,這東西好像不一般?

【燼天玉藻前】

「(微笑んで言う)そうだ。馴染みのある気配を近くに感じるとは思っていたが。まさか、この腕輪だったとは。」

(輕笑)是啊,我之前只是覺得有些熟悉的氣息在附近,沒想到,是這個啊。

【縁結神】

「お主はこれが何か知っておるのか?」

你認識這是什麽?

【燼天玉藻前】

「ああ、これは妖気を覆い隠す道具だ。特に珍しいものと言うわけではないが、ただ……昔、友人がくれた物だ。その友人は、お前達は面識こそないだろうが、お前達のよく知っている者と関係がある。大陰陽師晴明の母、葛葉だ。」

嗯,這是能夠遮掩妖氣的東西,倒是沒什麽特別稀奇的,只是……來自一個故人的饋贈。這位故人你們也許都沒有見過,但是說起來,身份卻不算陌生。大陰陽師晴明的母親,葛葉。

【縁結神】

「!!!」

【鈴彥姫】

「そうか、晴明の母上か。そういえば、晴明も半妖なんだっけ?母親の血筋を継いでいたのか。」

啊,晴明的母親啊。說起來,晴明好像也是半妖吧?看來就是繼承了母親的血脈了。

【縁結神】

「あの大妖怪、白狐の葛葉が!大陰陽師の益材と……そうじゃったのか。直接會ったことはないが、その話本は何度も売……見たことがあるぞ!つまり、彼女は昔この場所に來て、あの母子にこの腕輪を授けたのじゃろうか?」

大妖白狐葛葉!和大陰陽師益材,哎呀,雖然沒見過他們,但是他們的話本我曾賣……不是,見過不少呢!這麽說,她曾路過這裏,送過這對母子這個東西了?

【燼天玉藻前】

「私はもう長い間、彼女の消息を知るすべがなかった。だがこの腕輪はそれほど古くない。消息を知ることができたと言ってもいいだろう。まさか、これほど時間が経っても、彼女が未だにそうしていたとは。」

我已許久沒有得知過她的消息與蹤跡了,不過這個镯子應該年月不久,也算是留下了些消息吧。沒想到,這麽久了,她仍舊在這樣做。

【鈴彥姫】

「つまり、彼女が姿を消して久しいってこと?晴明も彼女の行き先を知らないの?」

聽起來,她消失很久了?晴明也不知道她的去向麽?

【燼天玉藻前】

「きっと知らないだろう。そうでなければ、益材が彼女を追いかけて消息を絶つはずがない。それに彼女は失蹤する前に、私に子供の面倒を見てくれと頼んできた。だが、益材は彼を賀茂忠行に預けた。私も多くは聞かなかった。気がつけば、もうこんなに時が経っていたのだな。」

應該吧,否則益材也不會追随着她而去就此沒有音訊,她在離開前,還曾托付我照看她的孩子。不過,益材将他交給了賀茂忠行,我就沒有再多問了。一轉眼,原來已經這麽久了啊。

【縁結神】

「……何だかとても頼りない両親のようじゃな?!」

……這種父母怎麽聽起來就不怎麽靠譜啊?!

【燼天玉藻前】

「私はそうは思わない、彼女にはきっと彼女なりの考えがあったのだろう。私が手に入れた、彼女に関する最後の手がかりは、試練の地……六道に関するものだ。私はその中の一つを選び、そこで見つけたのだ……私の魂の帰る場所を。今思えば、私がここで葛葉の遺した最後の痕跡を見つけたのも……きっと何か関係があるはずだ。六道、葛葉、六つの儀式場……このすべてに、関係があるのだろうか。六道の試練の終着點とは一體?また後で晴明と話す必要があるかもしれない。その前に、彼らがうまくやっていることを願おう。」

我倒是不好評價,她也有她的考量吧。我所得到的,她的最後一個消息,卻是關于一個試煉之地——六道。我選擇了其中一個,在那裏,我找到了……我靈魂的歸屬之地。如今想來,我在這裏找到了葛葉留下的最後的蹤跡……這中間也許有什麽關聯。六道,葛葉,六個儀式點……他們,都有關聯嗎,這六道試煉的終點又是什麽?也許,之後我需要與晴明談談。在此之前,希望他們都一切順利吧。

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