第66章 ④

祈神之宴 ④

目を開けると、晴明は泉の中にいた。周囲の水には怪しい赤い花が漂っている。女の子が隣でしゃがみ込み、彼を見つめている。

晴明睜開雙眼,他蘇醒在一片水潭之中,四周漂浮着一些詭異的紅花,小孔雀正蹲坐在他身旁,凝視着他。

【青】

「気がついた?お化けさん。 」

看來你醒過來了呢,妖怪先生。

【晴明】

(ここは……さっきの書庫と同じ気配を感じるが、書庫よりもさらにおかしい。まさかここは、孔雀明王が用意した幻境なのか?)

(這裏……同剛才的書庫一樣,只是比剛才的書庫更加異常了。難道說這裏便是孔雀明王考驗我的幻境?)

その時、遠くに砂嵐が出現した。荒ぶる砂嵐が通り抜けると、世界の境目が崩壊し始めた。

就在此時,遠處刮起一陣沙暴,沙暴碾壓而過,世界的邊緣開始出現崩塌。

【青】

「やっぱり追ってきた!お化けさん、一緒に逃げよう。 」

那家夥果然追來了!妖怪先生,我們一起逃吧。

【晴明】

「誰が追ってきたんだ? 」

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你指的那家夥是?

【青】

「あの中には、彼女が一番恐れている真相が隠されてるの。 」

那家夥的裏面藏着她內心最害怕的真相。

女の子は有無を言わさず晴明の手を掴み、共に蛍の光を反射している泉に落ちた。泉に落ちたあと、しばらく靜けさが続いた。晴明の耳元で、ある優しそうな女性の聲が響く。

小孔雀不由分說的拉起晴明的手,兩人一共墜入那片泛着螢光的水潭。沉入潭中,靜谧一片,一個溫柔的女聲在晴明耳邊響起。

【孔雀明王】

「私は十分強くなって、彼女の側にいてあげたい。でも不完全な體が治った時、この日を迎えた時、私は導き、光を照らしてくれる星を失ってしまった。愛する姉様は□□の神に嫁ぎ、神を惑わし、國家に反旗を翻す災いの女王になった。そして私も王女ではなくなり、悲しみと怒りを隠して、貴族に仕える舞姫になった。」

我渴望着以足夠強大的姿态站在她身旁。可是,當我殘缺的身體恢複,走到這一天的時候,我卻失去了那顆一直引領着我、照耀着我的明星。敬愛的姐姐嫁與□□之神,成為人們口中誘惑神明,反攻國家的禍國女王,而我也失去了公主的身份,将悲憤藏于心中,淪為服侍貴族的舞姬。

——長老の議事堂

——長老議事殿

【大長老】

「□□の神は何度も孔雀の國に攻めてきた。女王の務めを果たせなかった、□□の神を喜ばせなかったお前の姉のせいだ。今までの女王は皆、務めを果たしてきたというのに。お前の行いではないが、神を惑わし國を裏切った白の女王は、民の怒りを買ったのだ。悪く思うな、襲撃を受けて家族を失った民を慰めるにはこうするしかないのだ。」

□□之神三番五次侵襲孔雀國,皆是因為你的姐姐沒能履行女王的責任,取悅□□之神。要知道此前的女王從未有過差錯。雖說此事與你無關,但白女王蠱惑神明背叛國家一事,早已是群情激憤。不是我們過于殘忍,只是唯有這般才能撫平大家在侵襲下失去親人的傷痛。

【青】

「長老の皆様の慈悲深さには、心から感謝しております。白の女王は私の家族ですが、國を裏切った罪は許されません。姉の代わりに罪を償いたいと思います。長老のために舞姫たちを集めておきました。今こそ練習の成果を見せる時です。近いうちに旅の準備を済ませ、□□の神に舞を捧げるつもりです。必ずや□□の神のお考えを変え、孔雀の國を守っていただきます。」

我由衷感謝各位長老的仁慈。白女王是我的親人,但孔雀國是我的國土,我希望可以替姐姐償還罪惡。我已為長老招募了舞姬團,如今訓練成果初見成效。假以時日便可啓程,向□□之神獻舞。我定會讓神明改變主意,護佑孔雀國。

【大長老】

「姉よりも分別があるようだな。そうだ、お前は知らないかもしれないが、こんなこともあった。先日、あちこちで征稅の車隊を襲う盜賊が現れた。おかげで甚大な被害が出た。なにやら……お前に仕えていた侍女がその盜賊と関わりがあるらしく、その女を逮捕して尋問している。何か知らないか?」

你看起來倒是比你姐姐更加懂事。有一件事,你怕是不知道吧?前陣子有一夥流竄的盜匪,總是劫掠我們的征稅車,令我們損失頗多。似乎……你的前侍女與那夥劫匪有所聯系,因而我們逮捕了她,正在對她進行審問。對此事你有什麽頭緒嗎?

【青】

「初耳です。もし本當に罪を犯したのなら、厳しく罰せられても仕方ありません。」

此事我并非知情,若她真的犯下過錯,也請長老重罰。

【大長老】

「一応信じてやろう。お前が集めた舞姫たちが、本當に役立つことを期待している。期待を裏切るようなら、例え本當にお前とは無関係だとしても、もう誰も信じないだろう。」

我暫且相信你的忠心,希望你的舞姬團能真如你說的那樣,起到應起的作用。否則,就算與你無關,恐怕也會變成與你有關的了。

【青】

「お言葉を肝に銘じてまいります。」

我會謹記長老的教誨的。

——孔雀の國の町

——孔雀國街巷

議事堂を離れたあと、青は顔に薄い布をつけ、町中に入った。

離開長老的議事殿,青戴上面紗,走入街巷之中。

【孔雀の國の平民】

「畑がいよいよ収穫だって時に、□□の神の砂嵐のせいで臺無しにされちまった。このままだと庇護稅が払えないぞ。」

好不容易等到要豐收的田地,都被那神明的沙暴給摧毀了,這樣下去是真付不起庇護稅了。

【孔雀の國の舞姫】

「もう、そんな話もういいよ。うちが飼っていた家畜だって、空に飛ばされて、ずたずたに切り裂かれた。仕方ないのよ。白の女王が神を惑わし、孔雀の國に災いをもたらすように焚き付けたから、こんなことになった。」

哎,別說了,家中飼養的家畜,都被卷上天空,撕裂成了肉幹,這能有什麽辦法。若不是那白女王蠱惑神明,讓神明降下災厄,為害孔雀國,我們又怎會淪落到這種地步。

【孔雀の國の平民】

「その妹は巻き添えを食らい、貴族に奉仕する舞姫になったらしいぞ、いい気味だ。もしあいつに會ったら、絶対酷い目に遭わせてやる……」

聽說她的妹妹也因為她一并受到了牽連,淪為侍奉貴族的舞姬,真是罪有應得。可別讓我碰見她,不然……

【孔雀の國の舞姫】

「ただでさえ緑地は侵食されていて、日に日に生活が厳しくなっていくのに、お金を撚出して庇護稅を払わなければならないなんて。しかも払えなければ娘は連れ去られる。もう、本當にどうしたらいいのか。」

綠地被侵蝕,生活一年比一年難困苦,如今還要籌集足夠的錢,去交那個什麽庇護稅,若是付不出來,自家的女兒都要被強行送進宮裏抵償,哎,可如何是好啊。

【孔雀の國の平民】

「本當にお金が払えないなら、翠さんに頼んでみろ。娘を大切にな、連れ去られたが最後、二度と戻ってこないぞ。」

怎樣都好,若是實在走投無路就去求翠姑娘想想辦法,可千萬別把女兒送進宮,一旦送進去了,可就再也出不來了。

【青】

「庇護稅……」

庇護稅……

青が小聲で呟く。

青小聲地嘀咕。

【青】

「どうせ長老たちが考え出した新しいやり口でしょう。もし貴族に稅金を払うことで本當に守ってもらえるなら、孔雀の國が度重なる災いに襲われることはないはずでしょう?本當に狂ってる。」

看來是這幫長老又想出的新斂財手段,若是向貴族交稅就能獲得庇護,那孔雀國還會像現在這樣災厄頻發嗎?可笑。

【???】

「この祝福の首飾りはいくら?」

你的這些祝福項鏈怎麽賣?

【青】

「たくさん種類があるから、もしよければ場所を変えましょう。」

我這有不同的項鏈款式,不如客人借一步說話吧。

青と共に誰もいない場所に移動すると、その客は顔を隠していた帽子をとった。

客人随青來到僻靜無人的地方後,摘下了遮掩的兜帽。

【翠】

「あなたの侍女のこと、本當にごめんなさい。彼女は連中に捕まってしまった。」

抱歉,連累了你的那位小侍女,她被發現蹤跡,讓那群家夥逮住了。

【青】

「その話ならもう知ってる、あまり自分を責めないで。でも予想外のことが起きた今、早めに計畫を進めるべきかもしれない。その時になったら、手伝ってほしいの。私が宴で混亂を引き起こしたあと、隙を見て彼女を助けて。」

希望到時你能幫我一把,當我在舞宴造成混亂之時,由你尋找機會将她救出。我剛才已經得知了,不用擔心,不過因為這個變故,我的計劃恐怕要提前了。

【翠】

「わかった!でも……青、姉を助けたい気持ちは分かるけど、一度計畫を実行したが最後、もう後戻りはできないよ。覚悟は決めた?」

好!不過……青,我明白你想要救回姐姐,但是你知道這個計劃一旦實施,一切都會發生翻天覆地的改變,你能承受住嗎?

【青】

「翠、今の私は何も持っていない。だから失うことも怖くない。私が賭けられるものは、自分の未來だけだから。それと交換に、私が望む変化を掴み取ってみせる。孔雀の國は代々□□の神に女王を捧げて講和してきた。これが唯一の方法だなんて、斷言できるの?私たちはしきたりに縛られ続けてきた。でも、変われない理由はないでしょう?幼い頃の私は、自分が世界を変えられるなんて信じられなかった。でも今は、私はそう信じてるし、信じなければならない。あなたが心配なら、このまま手を引いてもいい。私がすべての罪を引き受ける、あなたに迷惑はかけない。」

翠,如今的我已是一無所有,因而不怕失去,我所能賣出的從始至終只有自己的未來。用來換取我所期許的改變。孔雀國代代都要靠獻上女王與□□之神謀求和平,是誰規定了這才是唯一的方法?我們已被規束太久,所以,為什麽不能由我開始改變?小時候我從不相信我會成為那個改變世界的人,但如今,我相信,而且是必須相信。如果你有所擔憂,可以就此收手,我會擔下一切罪責,不會牽連到你。

【翠】

「怖いから聞いたわけじゃないの。家族を失い、人生のどん底に突き落とされ、重罪を犯して長老から賞金をかけられた私を……あなたは匿ってくれて、兵士たちをごまかしてくれた。そのあと、征稅の車隊を襲う方法まで考えてくれた。あなたの言った通りに、奪ったお金は貧しい人々に分け與えた。例え皆によく思われていなくても、あなたは縁の下の力持ちに徹して皆を助けてる。私にとっては、あなたは本當の英雄なの。そして同時に私の……友人でもある。計畫を実行したらもう引き返せない。悪辣な貴族を相手にすると同時に、強くて正體不明の□□の神に抗うなんて、奇跡が起きない限り……あなたのことが、心配で仕方ないの。」

我今日所問并不因我有退縮之心。在我最為頹廢,家破人亡,犯下重罪被長老通緝時,是你将我藏匿,騙過了那些衛兵。之後又替我出謀劃策,劫掠稅車。我按照你的要求,将劫掠的錢財分給每一個有難的窮人,即便他們不待見你,你依舊隐于幕後,默默的幫助他們。對于我來說,你才是真正的英雄,也是我的……朋友。一旦計劃開始,我們便無法回頭。既要對付那些陰險狡詐的貴族,又要對抗那強大未知的□□之神,除非有神跡降臨,否則……我最擔心的,是你。

【青】

「知ってる?以前の私は化け物と呼ばれていたの。でもくだらない噂を乗り越えて、私はこうしてここにいる。今更、昔の自分よりも臆病になるはずないでしょう?」

你知道嗎?曾經的我被他們稱為小怪物,但我擊碎了那些流言蜚語,站在了你的面前。如今的我還能比小時候更加膽怯麽?

翠は黙り込み、微苦笑を浮かべて青を見つめている。

翠不再言語,只是望着青,露出了一絲苦澀的微笑。

【翠】

「約束して、無事に戻ってくるって。」

你答應我,保護好自己。

【青】

「……うん!」

……嗯!

——宴の會場

——長老議事殿

雷雨の夜、青は舞姫たちを連れて舞臺に上がり、長老たちに舞を捧げた。鳴り交わす雷鳴と音楽に合わせ、青は羽衣をなびかせてぐるぐると回転している。動きの一つ一つがとても美しい。しかし青の目には、度肝を抜かれた人々が映っている。

雷雨交加的夜晚,青站于議事殿大廳之上。雷聲與音樂交織,青的羽衣随着舞步回旋,她的每一個舞步都是那樣的奪目。但倒映在青的眼眸中的,卻是一張張驚恐的面容。

【青】

「雷鳴の嘆きと鎮魂の舞に溺れなさい。あなたたちの死は孔雀の國に未來をもたらす。」

雷鳴為你們哀嘆,舞曲為你們安魂。你們的逝去才會有孔雀國的未來。

羽を広げる孔雀のように、回転し続ける青は羽衣の下に隠していた毒針を放つ。さっきまで舞を楽しんでた長老たちは、例外なく悲鳴をあげて逃げ回る。

青回旋的羽衣下,毒針如孔雀開屏一般四射而出,方才還醉心觀賞的元老們此刻皆哀嚎逃竄。

【青】

「あなたたちの屍は、人々が未來に向かう道を築く。叫ぶがいい、怒るがいい!雨はすべてを洗い流す。夜明けの時、孔雀の國は新たな太陽を迎える。そしてあなたたちは、一人殘らず闇夜の中に葬られる。」

你們每個人的屍首,都将鋪就我們通往未來的道路。就在這一刻,嘶吼吧!憤怒吧!雨夜會掩蓋一切,今夜過後,孔雀國将會被新的太陽所籠罩。而你們這裏的所有人,将會和這黑夜一起埋葬。

足掻けば足掻くほど、毒が早く回る。偉そうにしていた長老たちは今、見苦しい姿で青の足元にひれ伏している。空を切り裂く稲妻が、窓を通して宮殿を明るく照らした。青は片時も舞をやめなかった。狂ったように踴り続ける中、血しぶきが彼女の衣の裾を赤く染める。彼女は血の宴に狂い咲きする砂漠の花のようにも見える。

越是掙紮,便越是毒發,那些曾高高在上的長老,此刻皆狼狽地躺在青的腳下。閃電劃破天空,從天窗照進大殿之中,青不曾停止舞蹈,她跳得越發瘋狂,踩踏濺起的血紅沾染了她的裙擺,她就猶如一朵熱烈綻放于血色盛宴中的荒漠之花。

【翠】

「青!」

翠は閉ざされていた扉をこじ開け、中に入った。

翠打開先前封鎖的大門,沖入大廳。

【翠】

「青!そろそろ行かなきゃ!天窓を利用して脫出した者がいる。衛兵が向かっているから、ここはもうすぐ囲まれる!」

青!我們該走了!有一些人從天窗處爬了出去,衛兵正在過來,馬上就會包圍這裏!

青の耳には屆かない。舞い踴る彼女は孔雀の炎を起こした。復讐の炎はあちこちに転がる「薪」をのみ込み、激しく燃え盛っていく。燃え盛る炎が青と翠を隔てる。青は自ら炎の奧へと入っていく。

青卻置若罔聞,她的舞步之下竟燃起了孔雀之火,複仇的火舌吞噬着地上的那些「薪柴」,越燒越旺。沸騰的火焰将青與翠隔開,青向着火焰深處走去。

【翠】

「青!何をするつもり!?」

青!你要做什麽!?

【青】

「翠、あなたも知っているでしょう。長老の勢力を根絶やしにすることはできない。殺戮の罪を背負う者がいる。でなければ、この件は収まらない。あなたたちを巻き込む訳にはいかない。だから一番適切なのは、私。あなたの知っている青は、殺戮の罪を犯した舞姫は、今夜ここで死ななければならない。」

翠,你我都清楚,長老的勢力并未完全清除,而這場殺戮勢必需要有一個人來承擔,不然這一切是不會結束的。我不能将你們牽連進來,所以那個最合适的人選,就是我。你所認識的那個青,那個犯下所有殺業的舞姬,今夜必須,也只能死在這裏。

青は燃える松明を拾い、翠に背を向けると、自分の顔にそれを押し當てた。

青拾起火把,背過身,灼燒了自己的臉龐。

【翠】

「やめて!青——!」

不!青!

鳴り響く叫び聲が、晴明を呼び起こした。さっき見たすべては幻のように消え去ったものの、未だにかすかに焦げた匂いが漂っている。

一聲吶喊回蕩耳邊,晴明被叫聲驚醒,眼前方才所看到的一切煙消雲散,而他的鼻尖依舊殘留着一絲燒焦的氣味。

——その頃、平安京

——與此同時,平安京

【小白】

「油揚げは本當に美味しいですね。でもこれ以上食べるわけには……」

須佐大人真好,不僅給小白買了油炸豆腐,還給小白委派了最輕松的活。油炸豆腐真好吃,但小白不能再多吃了……

【神楽】

「小白も宴の秩序を守ったらどうかな。ついでに舞姫様たちに、お手伝いできることはないか聞いてみて。」

小白也去宴場維護一下秩序吧,順便看看各位舞姬大人有沒有什麽需要幫忙的。

小白が周囲を見渡すと、舞臺の近くに貓の腹を撫でる緊那羅がいた。貓は満足したようにごろごろと喉を鳴らす。

小白一眼望去,不遠處,舞臺的附近,緊那羅正在撫摸一只貓咪的肚皮,貓咪滿足的發出呼嚕聲。

【小白】

「緊那羅様、ようやく見つけました!あれ?何方の貓でしょう、顔が変ですね。まるで煤がついているみたいです。」

緊那羅大人,可算找到你了!咦?這只貓咪是誰家的啊,長得有點怪怪的,臉上就像沾了一坨黑黑的煤炭。

【ニャンニャン(喵喵)】

「煤だと?無禮者、変なのはそっちだ。」

什麽煤炭?你才是包子呢。

【小白】

「さっき美味しい油揚げを食べて気分がいいので、今回だけは特別に許してあげましょう。でも次は許しませんよ!」

要不是小白剛吃完油炸豆腐心情還不錯,才不會輕饒了你!

【ニャンニャン】

「お嬢さん、なでなでが上手ですね。そうそう、そこです、もう少しなでなでしてください。」

這位小姐,你的手真是太溫柔了,哎對對,就是那裏,再摸一下再摸一下~

目の前の貓は頭を下げ、緊那羅の手にすりすりしている。

只見眼前的貓咪低下頭,不停的用腦袋蹭着緊那羅的手心。

【緊那羅】

「貓ちゃん、さっきからずっとついてきているけれど、お腹がすいたのかしら?」

這只小貓咪自從看到我就一直跟着我呢,你是不是餓了呀?

【ニャンニャン】

「美しいお嬢さん、さっき舞臺上にいるあなたを見て、一目惚れしました。もしよければ、付き合ってくれませんか?」

這位美麗的小姐,之前在舞臺上的驚鴻一瞥,讓我對你記憶深刻,可以的話,能考慮和我一起約會麽?

【小白】

「こんな厚顔無恥な貓、小白は初めて見ましたよ!」

小白從沒有見過如此厚顏無恥的貓!

【緊那羅】

「付き合い?あ、わかった。ちょうど厳島にいる皆にあげるお土産を考えていたの。一緒に來てくれる?」

約會?啊,我明白了,正好我也想買一些伴手禮帶給嚴島的家人們,要同我一起嗎?

【ニャンニャン】

「美しいお嬢さんにお供できて、光栄です。」

能陪伴在這位美麗小姐身旁,是我的榮幸。

【小白】

「待ってください!小白も行きます。(この変わった貓、なんだかいけ好かない感じです。緊那羅様は小白が守ります!)」

等等!小白也要一起。(這只怪貓看上去好不正經,我一定會保護好緊那羅小姐的!)

【ニャンニャン】

「そういえば、緊那羅さん、さっき舞臺上で披露された舞は、とても美しくて、印象深かったです。」

話說,緊那羅小姐,你在舞臺上演出時的舞姿,是如此富有有靈性,令我過目難忘。

【緊那羅】

「あれは禦饌津様に教わった舞よ。実は私は舞よりも、演奏のほうが得意なの。」

這舞還是向禦馔津大人讨教的,畢竟比起跳舞,我更擅長彈唱。

【ニャンニャン】

「実は初心者だなんて、信じられません。でもあの舞には思いが宿っていて、人々に神々しい印象を與えました。あなたにはきっと舞の才能がありますね。あんな特別な舞を踴れるなんて、一體どんな練習をしてきたのですか?」

真是不可思議,您竟然是位初學者,但我卻能從您的舞步中讀出情感,有一種說不上來的聖潔氛圍,我想您一定是極具天賦的舞蹈天才?方便向我透露一下您的舞步風格是怎樣練成的麽?

【小白】

「すごく詳しく聞きますね。舞を學びたいんですか?」

你問這麽仔細,難道是想學跳舞不成?

【ニャンニャン】

「まったく風情がわからないな、私と美しいお嬢さんの間に割り込むな。こんなことも分からないのか?美人の機嫌を取るには、まず彼女の得意な話題を振るんだ。」

真是不解風情,打擾我與美麗小姐的約會,你難道不知道,要增進美人的好感,首先要聊她擅長的話題。

【緊那羅】

「以前姉さんが言ってた、喧嘩するほど仲がいいって。あなたたちはきっと、いい友達になれるわ。」

以前和姐姐曾說過,會互相拌嘴的,關系一般都不錯。我想你們一定會成為好朋友的。

【藤原陰陽師】

「緊那羅様、お探しの物を買ってきました!全て揃ったと思いますが、ご確認を。」

小姐,你要買的東西我找來了!不知道裏面的東西全不全。

【緊那羅】

「あ、ありがとう。ちょっと見せて……えっと……これは命兄さんにあげる詩集、これは光兄さんにあげる絵本、これは律姉さんにあげるかんざし、これは和姉さんにあげる□□、これは雁おじいさんにあげるお茶……うん、全部合ってる!お土産をあげたら……みんな、喜んでくれるかしら?」

啊,謝謝你,我看看……唔……這是給命哥哥買的詩集,這是給光哥哥買的話本,這是為律姐姐買的發釵,這是為和姐姐買的胭脂,這是給雁爺爺買的茶葉……嗯嗯,這些都是我想要的!他們收到我的禮物的話……應該會開心的吧?

【ニャンニャン】

「緊那羅さんちは大所帯ですね、あなたはきっと愛されて育ったのでしょう。いつか緊那羅さんのご家族に會いに行きたいです!」

緊那羅小姐居然有這麽多家人,看來一定是在愛的滋潤下長大的吧,什麽時候我也想受邀拜訪一下緊那羅小姐的家人呢!

【小白】

「緊那羅様とは今日知り合ったばかりの関係なのに、もう家族に會いたいと思ってるんですか……」

你今天才和緊那羅大人見面,怎麽都想去拜訪她的家人了……

【緊那羅】

「……その通りだわ、私はとても幸せだった。昔は……私を大切にしてくれる家族がたくさんいた。でも……私が見たもの、體験したこと、皆にも教えてあげたいな……皆は厳島を守っていた英雄、私の自慢の家族なの。」

……如你所說,我确實很幸福。曾經……我也有着許多愛着我的家人,只是……這些我所看到的,我所體會過的,多麽想帶予他們一起分享啊……他們曾是守護嚴島的英雄,也是我為之驕傲的親人。

【ニャンニャン】

「すみません、嫌なことを思い出させてしまったようです。お詫びとして、私にできることであれば、何なりとお申し付けください。」

抱歉抱歉,提起小姐的傷心事了,有什麽是我能為你做的,請盡管提。

【緊那羅】

「いいの、思い出を大切に心にしまっている限り、皆はずっと側にいてくれるから。私の舞は特別だと言ってくれたでしょう。舞は人の気持ちを伝えていると思うの。そして私にとって、一番大切なのは家族を守ることなんじゃないかしら。」

沒關系的,只要往事珍藏在我的心中,我就還能感受到他們的陪伴。你之前說我跳舞的時候有一種特殊的風格,我想舞蹈是能映射內心的,或許對我來說,最重要的就是家人的守護吧。

【ニャンニャン】

「なるほど、緊那羅さんは本當に主に似ています。主も大切なものを守るために、傷だらけになったことがあります。」

原來如此,緊那羅小姐跟我的主人有些相似的地方呢,她也曾因守護某些東西而遍體鱗傷。

【小白】

「主?やっぱり飼い貓でしたか。そういえば見た目が平安京の貓とは全然違いますね。まさかその主って……」

啊?原來你是有主人的啊,話說你長得一點也不像平安京的貓,難道說你的主人是……

【ニャンニャン】

「主が誰かって?孔雀の國の最も美しい孔雀の女王、孔雀明王様に決まっているだろう。」

我的主人?那當然是孔雀國最美的孔雀女王——孔雀明王大人了。

【小白】

「孔雀明王様の飼い貓が、こんな性格だなんて!」

孔雀明王大人的貓竟是這種性格!

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