第28章 深淵暗影·鬼域篇①深淵

深淵暗影·鬼域篇①深淵

深淵①

深淵

……鬼域の奧、底の見えない深淵の近く

——鬼域深處,萬丈深淵附近

【鬼王酒呑童子】

「ここは?峰が鋭い刃の如く険しく聳え立ち、斷崖絶壁に囲まれている。天空と大地が人間界のように果てしなく広がり、底見えぬ深淵で妖火が燃え上がる。無數の鬼がこの地で晝も夜も殺し合い、まさに終わりのない殺戮が延々と繰り返されている。弱肉強食以外、なんの戒律も存在しない鬼族の領土、鬼域。

這裏是?山峰如劍刃般險惡,咫尺就是懸崖峭壁。天空與大地如同人世般廣闊無垠,熊熊妖火燃燒于深不見底的深淵。萬鬼在這片土地上日夜厮殺,相互吞噬,征伐永無止盡。除了弱肉強食,便沒有任何戒律的鬼族之疆——鬼域。

數百年の時を経て、俺様は遂にここに戻ってきた。やはり俺様の予想通り、三途の川底の陰と陽が交差するこの場所で、天人が張った結界を突破出來る。しかし、茨木童子の野郎はまたどこに行ったんだ?

歷經數百年時光,本大爺終于又回到了這裏啊。果然不出本大爺所料,從冥河底部這陰陽交彙的地方,便可突破天人所設的結界。只是,茨木童子那家夥又去了哪裏?

いや、待て。天人の結界によって遮斷された入口に、こんな底の見えない深淵が広がっていたとは。數百年前、俺様は一度鬼域の奧地に訪れたことがある。山岳神ともそこで知り合った。そして俺様が最後に辿り着いたのが、この深淵だった。

等等。這天人結界所隔絕的入口處,竟是這道萬丈深淵。數百年前,本大爺也來過一次鬼域深處,還結實了山岳神那家夥。而我最後所抵達的地方,便是這深淵了。

底の見えない深淵の溝はまるで荒れた大地に刻まれた刃の痕のように、鬼域の最深部に通じる道を全て遮斷している。鬼域に伝わる言い伝えによると、この深淵は最古の鬼族が誕生した地だ。千百年前、深淵は既にここに出現した。鬼域より遙かに古い存在だ。

萬丈深淵的裂谷像是蒼茫大地上的一道刻痕,隔絕了前往鬼域最深處的所有道路。在鬼域的傳言中,這道深淵是最初的鬼族所誕生的地方。千百年前,深淵已出現在此處,它的存在比鬼域更為遠古。

深淵は無數の鬼をおびき寄せ、互いに殺し合わせる。同時に、更に強大な鬼族を生み出す。ある意味、底の見えない深淵の存在によって、今の鬼域が形成されたのかも知れない。

深淵吸引着萬鬼,驅使他們前去争奪厮殺,與此同時,也不斷進化出更強大的鬼族。換一種說法,或許正是因萬丈深淵的存在,才形成了鬼域。

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入口付近の風から、極めて高い霊力を感じる。膨大な霊力がこの深淵の內部に流れ込んでいる……やはり、都と大江山の地脈に流れる霊力は全てここに送り込まれていたのか。果たしてこれは、未知なる鬼族の企みか?或いは天人の陰謀か?妖気を潛めて、この一帯を調べるとしよう。

入口附近,我感到風中靈力的濃度極高。數以千計的靈力正在流向這深淵內部……果然,京都、大江山地脈的靈力都送往了這裏。這究竟是某種未知的鬼族,亦或是天人的陰謀?待本大爺隐匿妖氣,調查一下這附近。

……どうして深淵の入口に強力な巨大結界が張られているんだ?結界の上空には雲の上まで聳える白い巨塔がある。

……天人?その軍隊か?何故天人の軍隊が結界の隣に陣を並べているんだ?一體何を企んでいる?

……深淵入口為何還設着巨大強力的結界?結界上方是一座高聳入雲的白色巨塔。

……天人?軍隊?為何天人軍隊會駐紮在結界附近,他們究竟想做什麽?

感じるぞ、深淵の奧で、何か尋常じゃねえ邪悪な力が渦巻いている。深淵から湧き上がってくるのは霊力ではなく、まるで一種の末恐ろしい未知なる鬼神の威圧のようだ。これは一體何なんだ……鬼域の鬼の先祖か?

本大爺能感覺到,在深淵下,有一股異常危險的力量在蠢蠢欲動。并非靈力,深淵中不斷發散出的,仿佛是某種可怖而未知的鬼神威壓。這到底會是什麽……鬼域萬鬼的先祖嗎?

どうやら、天人の陰謀を暴き、茨木童子の鬼手の暴走を止めるには、この深淵に入り込み、真実を確かめねばならねえようだ。だが情報が不足している今、藪蛇になるような事は避けなければ。

看來,若要調查天人的陰謀,解決茨木童子失控的鬼手,得進入這深淵一探究竟。但在目前情報不足的條件下,打草驚蛇并非上策。

あれは……?一隊の天人軍が、鬼域の西方向に行軍しようと準備を整えている。どんな陰謀を企んでいるのか、この俺様が暴いてやろう。」

那是……?有一支天人軍的小隊,似乎準備往鬼域西側行軍。就讓本大爺看看,他們到底想搞什麽陰謀。

そして時間が経ち……

——一段時間後

【鬼王酒呑童子】

「俺様はこの天人軍隊の後をつけ、深淵の溝を乗り越え、西へと突き進んでいる。どんどん鬼域の深部に入り込んでいく。こいつら、一體どこへ行くつもりだ?」

本大爺跟着這支天人軍隊,越過深淵的裂谷,不斷向西行進。越來越深入鬼域了。這些家夥,到底是要去哪裏?

酒呑童子が顔を上げると、そこには銀白色に輝く雄大で壯観な城が山々の頂に立っていた。雲の上に浮かぶ神聖な島のように、鬼域の荒れた大地を見下ろしている。

酒吞童子擡頭,只見一座雄偉壯麗的銀白色城池立于群山之巅。

仿佛是浮于雲端上的神聖島嶼,永恒地俯瞰着鬼域的蒼茫大地。

【鬼王酒呑童子】

「あの宮殿は天人の都か?まさか……分かったぞ。やはり、常識を覆す陰謀が隠されていた。天人一族は、消滅したことなどなかった。いや。それどころか、千年の時を経て今に至るまで、天人は常に鬼域に君臨していた。ただ彼らは、ある計畫の為に、結界を張り自分達の領域を隠したんだ。

那座宮殿是天人的都城?難道說……本大爺明白了。看來,這一切的背後果然有着超乎常理的陰謀。天人一族,從來就沒有消失過。不。應該說,歷經千年時光,時至今日,天人一直都是鬼域中巅峰。只不過,他們為了某個計劃,用結界将自己的領域隐匿了起來。

我々が三途の川で突破した結界は、天人が張ったものだ。全ては霊力の流れ着く場所を隠蔽する為に。彼らが霊力を何に使うかは、まだ分からない。だが必ず、雲外鏡が予見した世界の終焉を招いてしまうだろう……そんな結末は、俺様が食い止めてやる。全ての始まり、天人の計畫、全ての秘密はあの天神のような城に隠されている。行くぞ。」

我們從冥河突破的結界,正是天人所設下的。這都是為了隐藏靈力流向的地方。雖然目前還不知道他們想用靈力做什麽,但最終必将招致雲外鏡所預見的末日……本大爺絕對要阻止這樣的結局。一切的最初,天人的計劃,所有的秘密都藏在那座天神般的城池中。出發吧。

深淵②

酒呑童子が一歩踏み出した瞬間、背後から黒い影が鬼魅の如く襲いかかった。

酒吞童子前行之時,一個黑影如同鬼魅般從他身後襲來。

【魔神】

「……」

【鬼王酒呑童子】

「誰だ?強い。並ならぬ力だ。この気配、鬼族でも天人でもない。くっ……こいつ、この俺様に傷をつけることができるとは。ちっ、少し厄介だ。どうやら苦戦することになりそうだ。だが、これこそ俺様が追い求めていた鬼道の極み。こいつを倒さなければ、前には進めない。さあ、かかって來い。」

誰?好強。不同于尋常鬼族的力量。這氣息,不像是鬼族,也不像天人。

咳……這家夥竟能襲擊到本大爺。啧,有點棘手了。看來要迎接一場惡戰了。不過,這正是本大爺所追尋的極致鬼道。不先解決這家夥,就無法前進了。來吧。

戰鬥結束後

【鬼王酒呑童子】

「さっきのは、鬼域の奧に潛む未知の魔物か?怪我を負っても何度でも再生し、無限に力があるようだった。奇異な奴だ。まあいい、先を急ごう。」

剛才那家夥是鬼域深處的未知魔物嗎?他受傷後竟能不斷再生,似乎有源源不斷的力量。真是詭異的家夥。算了,繼續上路吧。

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