第29章 深淵暗影·鬼域篇②無常
深淵暗影·鬼域篇②無常
無常①
無常
……鬼域の奧、底の見えない深淵の近く
——鬼域深處,萬丈深淵附近
【煉獄茨木童子】
「三途の川で天人の結界を突破した後、私は友とはぐれてしまい、鬼域の奧へと進んだ。結界に入ってから、私の鬼手が何故かより一層絶え間なく動いている。偶に意識を失い、再び起き上がると、どこに居るのかすら分からない。
從冥河突破天人結界後,我與摯友失散,一路來到鬼域深處。但不知為何,自從進入結界後,我的鬼手越發躁動。偶爾在我失去意識醒來後,都不知自己身在何處。
まるで何かの本能に呼び起こされたように……この鬼手の意志が更に強くなっているようだ。私の思い通りにならず、私を呑み込もうとするなど、思い上がりにも程がある!
仿佛是受到了某種本能的召喚……這鬼手像是擁有了自己的意識和人格。這鬼手的意識似乎更強烈了。不能為我所用,反倒想要反噬我,不過是癡心妄想!
道中、私は鬼手と戦いながら、友の妖気を追ってここまで來た。しかし、この底の見えない深淵に到達すると、友の妖気は絶たれた。まさか不慮の事態が起きて、ここで鬼族に襲われたのか?だが、付近に戦いの痕跡はない。友の実力を考えれば、よもや妖気を隠し、どこかへ行ったのでは……
一路上,我一邊與鬼手搏鬥,一邊追蹤着摯友的妖氣來到了這裏。可是,到了這道萬丈深淵附近後,摯友的妖氣就失蹤了。難道是出了意外,在這裏被鬼族襲擊了嗎?但這附近并沒有打鬥的痕跡。以摯友的實力,莫不是隐匿妖氣去了某個地方……
この深淵は?深淵の入口に、まさか巨大な拠點の結界が張られているとは。友はかつて私に、鬼域での出來事について話してくれたことがある。ここが天人の地である可能性は極めて高い。拠點の周りでは、數多くの天人の軍隊が厳密に警備している。侵入は難しそうだ。妖気を隠して、深淵へ潛入してやろう。」
這個深淵?在深淵的入口處,竟有一個大型的據點結界。
摯友曾和我講述過他在鬼域的經歷,這裏很可能就是天人的地界了。據點周圍的天人軍隊數量不少,守備森嚴,看來沒那麽容易闖入。就讓我隐匿妖氣,潛入這深淵中看看。
茨木童子は天人軍隊の目を掻い潛り、密かに深淵の入口へと向かう。しかし入口の結界へ近付くと、鬼手から異様な光が放たれた。
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茨木童子避開天人軍隊的耳目,悄悄往深淵入口前行。然而在他靠近入口的結界之時,鬼手中散發出異樣的光芒。
【煉獄茨木童子】
「鬼手が、どういう事だ……?!ぐああ!!この有無を言わさぬ強大な力、私をどこかに連れて行くつもりのようだ。」
鬼手,怎麽回事……?!唔啊!!這股霸道的力量,仿佛要将我強行帶去某個地方。
だが予想に反して、茨木童子の鬼手は暴走せず、逆に何としても深淵から離れようと必死にもがいた。
而這一次,茨木童子的鬼手并非失控,竟是在想方設法遠離深淵。
【煉獄茨木童子】
「まさか、この私が、本能的に恐怖を感じている……?違う、これは……鬼手の影響だ。感じるぞ、深淵の中から溢れ出す、鬼神の力……人を恐怖で震え上がらせる……?いや、この茨木童子を脅かすものなど、決してこの世に存在しない!うわああああ!!
怎麽可能?我在本能地感到恐懼……?不對,這是……鬼手的影響。我感覺到了,來自深淵中的,這股鬼神的力量……令人戰栗……?不,這世上沒有能讓我茨木童子懼怕的東西!唔啊啊啊啊——!!
まずい!天人の軍隊に勘付かれたようだ。彼らは一人一人が特殊な能力を持っていると聞く、くれぐれも慎重に行動せねば。深淵の奧に入り調査を行いたいが、今の私では全力を出して奴らを倒すことはできない。おのれ、この憎き腕め……ゴホッ…痛い……まずい、このままでは囲まれてしまう!ぐああ!!」
不好!剛才似乎驚動了天人軍隊。據說他們每個都有着特殊的能力,得小心行事。雖然很想進入深淵調查,但現在我無法使出全力解決他們。這該死的手臂……咳……好痛……糟糕,快被包圍了!唔啊啊——
間一髪で、鬼手の戦意が突如高まり、膨大な力が爆発した。鬼手が山の如く膨張し、底の見えない深淵を飛び越え、茨木童子を深淵の向こう岸へと引っ張った
千鈞一發之際,鬼手突然戰意磅礴,爆發出強大的力量。鬼手暴漲如山峰一般,從萬丈深淵這頭跨越而出,将茨木童子一并拖至深淵對岸
【煉獄茨木童子】
「鬼手が私を深淵の向こう岸へと……!天人兵士の追手は來ていないようだ。ふう、しかし、鬼手は私をどこへ連れて行くつもりだ?ん……遠くの方に、何故……銀白色の城が?私の見間違いか?何故殺伐とした鬼域の中に、突然銀色の城が現れたのだ?
鬼手在控制着我往深淵對岸去……!那些天人士兵似乎沒追上來。呼、不過,它到底是想将我帶去哪裏?唔……遠方怎麽會有……白色的城池?是我看錯了嗎?為何這荒涼的鬼域之中會突然出現一座銀色的城池?
友はかつて、鬼域の中は至る所が烈火と氷に覆われていると言っていた。ここに聳える壯大な城は、悪鬼の手によって造られたものだとは思えない。言うなれば、天界から降りてきた蜃気樓のようだ。酒呑童子はここへ向かったのだろうか。そんな気がしてならない。」
摯友曾說過鬼域內無處不是烈焰與寒冰。這座城池聳立在這裏,恢弘的氣勢不像是惡鬼的手筆,倒仿佛天界降下的海市蜃樓。我隐隐有一種感覺,酒吞童子他,或許正是去了那裏。
無常②
【魔神】
「……」
【煉獄茨木童子】
「鬼域にいるといわれる、強力な鬼族か?この圧迫感、確かに都の鬼族とは訳が違う。これまでの敵とは比べ物にならぬほどの強敵だ。鬼手を制禦出來ぬままだが、全力で戦おう。こんな相手と戦える機會は、滅多にない。だがやつは私を攻撃しようとしているが、まるで闘志を持たず、戦う意志がないようだ。
是傳言中鬼域強大的鬼族嗎?這種壓迫的感覺,确實和京都的鬼族不太一樣。是不同于以往的強敵,雖然鬼手失常,但我也要全力以赴地戰鬥。遇到這種對手的機會不可多得。但為何他明明要攻擊我,卻似乎沒有鬥志,也不想和我戰鬥的樣子。
戰鬥結束後
ゴホッ……こいつ、戦意は無いが、一撃一撃が致命的だ。鬼域に入って以來、全てがあやふやで謎めいている。早く手掛かりを集めねば。」
咳……這家夥雖然沒有戰意,出手卻是招招斃命。進入鬼域後,一切都撲朔迷離了起來。得盡快調查更多線索。